2017年3月9日~同10日にかけて、比較的大きな順位変動が発生したことは記憶に新しいのではないでしょうか?Googleは公式に認めていませんが、俗に言うフレッドアップデートと呼ばれるものです。
Namazuの観測では、実に13.1位という大変動を検出。国内外で順位が上がった、下がったとひと騒動起こしたことで話題となりました。
実は、筆者の別サイトでは、大幅な順位低下が起こり、アクセスが10分の1にまで低下しました。元々は、月間10万PVものサイトでしたが、月間1万PVに到達できれば良い方・・・。それほどの変動を引き起こしました。
そこで、筆者の事例を踏まえてどんなアップデートだったのかを振り返ります。
そもそもフレッドアップデートとは?
日々、SEOを研究している方であれば、ペンギンアップデートやパンダアップデートという言葉はすでにご存知かと思います。そして、新たに2017年3月に急浮上したアップデートの存在は、フレッドアップデートと呼ばれています。
なお、ペンギンアップデートやパンダアップデートは、Googleが公式にその存在を認めたアップデートでしたが、フレッドアップデートは、公式に発表されていません。なお、呼び方も正式なものではないそうです。Google社員の発言によると、
Google はたくさんのアップデートを日々実施している。今後はすべて「フレッド」と呼ぶことにしただけだ。このアップデート以降もたくさんのアップデートを実行している。
このアップデートに限って言えば、品質ガイドラインに書いてあることを対象にした。
海外SEO情報ブログ『2人のGoogle社員が何でも答えてくれた――フレッドアップデート、PWA、重複コンテンツペナルティ、機械学習などなど #SMX West 2017』
とのことで、公式に発表されないアップデートを総称してフレッドと呼ぶことになったようですね。
ちなみに、ここで述べられている通り、グーグルは日常的にアルゴリズムの更新を行っており、3月のアップデートは、細かいアルゴリズム更新をまとめて実行しただけという説が有力です。
しかし、「ちりも積もれば山となる」とはよく言ったもので、これらをまとめた結果、大変動に繋がってしまったことが真実なのではないでしょうか?
どんなサイトが影響を受けた?
フレッドアップデートの全体像が明らかになるにつれて、次の2つのサイトが大きく影響を受けたのではないかと言われています。
・主に広告で収益を得ているサイト
・記事の総数の割にコンテンツ品質の悪いサイト
・質の悪い被リンクを多数得ていること
これは、先のグーグル社員の発言からもわかります。品質ガイドラインに書かれていることは総じて、コンテンツ品質と被リンクに関するものだからです。
日々、多数の記事を更新しているブロガーでも、ブログのコンテンツがありきたりだったり、誰でも書けそうな内容を量産していると、今回のアップデートの影響を受けたと考えられます。特にアフィリエイトに重きを置いている方であればなおさらではないでしょうか?
PVが10分の1になった筆者の事例
筆者の別サイトは、女性向けの恋愛指南に関するハウツーサイトです。記事数は約800記事。月間PV数は10万ほどあります。しかし、2017年3月8日朝から急激なアクセス減に悩まされました。
以下のSearch Consoleのスクリーンショットを見てください。
アップデートの直前から、気持ちが悪いほどの減少が発生していることがわかります。逆にそれまでの順位は安定していることが伺えます。
では、どのようなサイトだったのでしょうか?
広告の掲載箇所
広告は、Google Adsenseを使用しており、記事の上、記事の文中、記事の下の3箇所と合わせて、アンカー広告、関連記事の中に埋め込まれた広告です。PCで、最大3箇所、スマホで最大5箇所の広告が表示されていました。
従来、グーグルは、PCサイトに表示されている内容を重視すると言われてきましたが、2015年頃から段階を踏んでスマホサイトのクロールにも注力していると言われていますから、今回のアップデートでスマホサイトの広告数に注目されてしまった可能性は否めません。
しかし、ここで、一つの疑問が生じます。グーグルが提供している広告サービスの規約の範囲内で掲載しているのだから、影響するわけがないのでは?
コンテンツの文字数と広告数の相関関係が重視した可能性を疑っています。
筆者のサイトの場合、主に1000~1200文字程度の記事が大半を占めます。この文字数は、多くのサイトを比較した中で少ない文章量であると思います。概ね、大項目にして2~3個程度の中見出しをつけるのがやっとの数なのです。
にもかかわらず、最大5個の広告は、グーグルにとって広告比重が大きいと判断されたとしても不思議ではありませんね。
ちなみに、グーグルは、検索品質を管理する部門とアドセンスの部門は完全にディバイドされており、お互いに協力することはありません。
クライアントからは「何とかしてペナルティ解除してよ」って言われるんで、一応サーチクオリティチームにメール入れたりするんですけど、一切取り合ってくれないですね。
HERO『アドセンス | 元Google担当者が語るアドセンスで稼ぐ方法』元Google 石田氏の発言
したがって、アドセンスがアンカー広告や関連記事広告まで含めて5個までOKと言っているからといって、検索エンジンの部門がNGということはあり得ることなのです。
コンテンツ品質に関して
では、コンテンツの品質に関してはどうでしょうか?
過去の反省を踏まえてお話すると、コンテンツ品質は必ずしも高くないということです。
そもそも恋愛の記事は、デートスポットに関する話題など、取材に基づいた記事を除けば、人間関係のお話です。加えて、誰かの特定の事例を上げることができない、総論になってきますから必然的にネタ切れしたり、同じような内容の記事を量産することになります。
つまり、今回のフレッドアップデートで言われている「低品質ながらページを量産するサイト」に該当しやすい傾向があるのです。
また、記事のイメージにはストックフォトを使用しており、内容も他の競合サイトと横並び。引用も少ない発リンク少数の個性がないサイトであった反省もあります。これらは、すべてこれまでにグーグルフレンドリーではないサイトの一例として言われてきた特徴のブログで、今回のアップデートに補足されてしまったとしても何ら不思議ではありません。
まとめると、やはり、今後も継続して発生するであろうフレッドアップデートに備えるのであれば、
・広告の使用個数に見合ったコンテンツ量を確保する
・適切な数の引用や発リンクを使う
・他にはない光るネタのコンテンツを作る
・不自然な被リンクを作らない
これらの地道な取り組みが必要なのではないでしょうか?