SEOでもっとも重要なことは良質な被リンクを集めることだと言われています。しかし、発リンクに関してはあまり語られることがありませんでした。
中には、発リンクを設定すると、Googlebotが別のサイトに逃げてしまい、サイト内の別のページに回遊しないため全体としてサイトオーソリティが上がらないなどと記述するSEOコラムも見受けられます。しかし、これは本当なのでしょうか?
良質な発リンクもページランクを上げる要素
被リンクにより別のページにGoogleの評価を渡すことをリンクジュースと呼びます。リンクによる清き一票のことですね。冒頭でご紹介したお話は、発リンクを設定するとリンクジュースが別サイトに渡ってしまうため、自サイト内に行き渡らず、サイトの評価が上がらないことを意味します。
しかし、これは大きな誤解です。発リンクも立派にページの評価を上げる重要要素です。
発リンクはなぜ大切?
では、発リンクはなぜ大切なのでしょうか?それは、発リンクを設定しているページに書かれたコンテンツが信頼するに値するものということをGoogleに知らせるためです。一体、どういうことでしょうか?
それは、発リンクを設定していること=別サイトの情報を比較しながら引用をしていることだからです。
良質な文章は、持論を展開するだけではありません。時には別の人の意見を引き合いに出しながらさらに持論を補強するものです。これは、研究論文など硬派の文章だけでなく、トレンドブログなどのように時事に特化したサイトなどでも同様です。ストックフォトやソフトウェアの配布サイトのように発リンクの重要性が薄いサイトもありますが、特に文章主体のサイトはその傾向が強いといえるでしょう。
良質な発リンクとは?
しかし、単に外部サイトへリンクを設定すれば良いわけでもありません。正しい発リンクの付け方もあります。正しい発リンクの付け方とは、
① 同じ話題を扱っているサイト
② 適切な量
③ 十分に独自コンテンツがある中での発リンク
以上3つの要素がGoogleから評価を受けるためのポイントです。
まず、①は、まったく話題の異なるサイトへリンクを貼ったところで、適切な引用とは認められません。適切な引用とは、趣旨が同じサイトから引用するものだからです。②は、発リンクばかり設定しているとリンクが主体のスパム行為とみなされます。③も同様で、あくまで主体はあなたのコンテンツであることが重要です。十分なコンテンツ量に対して適切な量の発リンク。これが大切です。
どの程度でスパム扱いになる?
先ほど、チラッとご紹介しましたが、発リンクの数が異常に多かったり、逆に独自のコンテンツ量が少ないと、SEOで効果を発揮するよりは、スパム扱いされ、最悪な場合は、ペナルティの対象になる場合もあります。
では、どの程度の発リンクなら適切であると判断されるのでしょうか?
簡潔にまとめると、100以内に抑えなければならないということについては今はもう実際には心配しなくていい。それと同時に、一般的なユーザーを呼んでシンプルなユーザーテストをやらせて、ページにたくさんのリンクがあっても不自然だったりスパムっぽかったり詰め込み過ぎじゃないことを確かめると、とても手助けになるだろう。
海外SEO情報ブログ『1ページに設置するリンクの“妥当な数”はいくつなのか?』マット・カッツ氏の発言として
と言われています。つまり、ページランクを操作するようなページ構成だったらダメだけど、ユーザにとって意味のあるリンクなら数は関係ないよ!と言っているのです。
例えば、筆者は別サイトとして、日本文化の検索エンジンを運営しています。Yahooと同様にワード検索の他、カテゴリー検索などもあり、Googleから見れば、さながらリンク集としてしか認識されていませんが、過去15年間運営し、一度もスパム扱いされたことはありません。
結局のところは、ユーザフレンドリーであるかどうかが重要なのです。
発リンクで効果があった実例
先ほどから発リンクは大切であることを繰り返しお話していますが、発リンクで実際にページランクが上昇した実験も公開されています。
SEO PACKさんに公開されたニュースで、米研究チームの実験結果が報じられていました。
しかし、およそ1週間で徐々に「他サイトへの発リンクグループ」が順位を上げ始め、けっきょく実験開始後6週間には、「発リンクグループ」が上位5位までを独占、なしグループのサイトは全て6位以降の下位にランクされる、という結果となりました。
SEO PACK『他サイトにリンクで、なんと自サイト順位上昇/実験で発リンク効果証明、米研究チーム』
発リンクありのサイトとなしのサイトを作りA/Bテストを実施したところ、見事に発リンクありのサイトの検索順位が上昇したというのです。
このことからも明らかな通り、やはり、発リンクはSEO上、効果のある施策なのです。