重複記事とは、ブログに同じコンテンツが大量にある状態のことです。SEOでは非常に不利と言われおり、アクセス減少やGoogleの評価が分散してしまい記事同士がアクセスを食ってしまう状態に陥りがちです。上手な対処法をご紹介します。
ウェブマーケティング業界で働いている龍由樹@ペンギン新聞です。
今回は、重複記事(重複コンテンツ)、重複キーワードについてお話ししたいと思います。
私のTwitterのフォロワーで、3Dプリンターの作品をブログで紹介し、オリジナリティあふれる記事がキラリと光る「あゆみ」さんから、こんなご質問をいただきました。
龍さん、カニバリ防止の記事を書いていただけると嬉しいです。たとえば、意図せずにあるキーワードで既に上位表示されている記事がある場合、(301リダイレクトで対処するのではなく)そのキーワードで別の記事を書いてもカニバリしないコツなど、です。お時間のある時に書いていただけると幸いです。
— あゆみ・3Dプリンタをガチる母 (@AyumiSato_3D) November 3, 2019
カニバリとは、カニバリゼーション。つまり、同じブログの複数のページで同じ内容の記事を書いてしまうと、GoogleのSEO評価が分散されてしまい、アクセスが増えないという現象が発生します。
今回は、SEOでかなり重要な知識。重複記事、重複キーワード対策についてご説明したいと思います。
こんな方にオススメ・アクセスが激減したり戻ったり不安定
・似たような記事が多い。
また、すでにカニバリ問題をご存じの方へ結論を書いてしまうと、
では、詳しくご説明していきますね。
なぜ重複記事を書くとSEOで不利なのか?
まだ、重複記事、重複キーワード、カニバリ・・・。
この意味をご存じでない方に、基本的なことからお話ししたいと思います。
Googleの検索結果が意味するもの
まずは、以下の画像を見てください。
これはGoogleの検索結果をスクショしたものですが、1つの検索結果に同じドメインの記事がないですよね?(あっても2つくらいまで)
理由は、Googleが、1つの検索クエリ(ユーザが検索窓に打ち込んだ検索キーワード)に対して、多様な記事を紹介したいと思っているからです。
もし、「東京 オススメ 焼き肉」と検索して、検索結果に「食べログ」がズラーと並んだら、食べログ以外の情報を調べたい人は困ってしまいますよね。
Googleは、1つの検索クエリに対して、少しでも多くのサイトを紹介したいと思っています。
アクセス数が増えない原因は重複記事
次に、私が妻と運営している恋愛サイト「恋ピット」を参考にご紹介します。
このサイトは、女性向けの恋愛サイトなのですが、一時期は月間12万PVありました。
しかし、恋愛分野って、似たようなキーワードが多いんですね。
例えば、「脈あり/脈なし」「目線」「男性心理」など、900記事のうち半数近くのページでキーワードが重複します。
すると、以下のような現象が発生します。
1つのページは大量にアクセスが来るのに、他のページはアクセスが増えません。
つまり、1つのページだけがGoogleに評価され、他のページは検索順位を落とされてしまうのです。
重複記事は本当に不利なのか?
私の場合は、7サイトほど保有しており、合計で最大値が18万PVあります。
興味深いのが、恐怖体験談を紹介した「怖きゃん倶楽部」です。
このサイトは、ほぼすべてのページに「霊」や「恐怖」というキーワードが入っているのですが、カニバリをしないんですね。
重複キーワードでNGと判定される例
あくまでも、これは私の経験則によってくるのですが、以下の法則があることが分かりました
・キーワードが同じ+記事内容が同じだとSEOで不利になります。
・キーワードが同じ+記事内容が異なるとSEOで不利になりません。
例えば、恋ピットの場合は、「脈あり」に関する記事を読むとほぼすべての記事が同じ結論に行き着いています。
一方で、怖きゃん倶楽部は、「恐怖」に関する記事でも、内容はまったく異なります。
つまり、
ことが読み取れます。
Googleはキーワードではなく検索意図を見ている
重複記事はNGで、重複キーワードはOK・・・。
少し分かりにくい概念ですが、現在のGoogleは、Google Brainと呼ばれるAIが導入されています。
龍 由樹(りゅう ゆき)この記事に書いてあることSEO業界で聞かれるGoogleがAIを導入したよ!という話し。実は、正確にGoogleのAIを理解すればアクセス数を増やすことにつながります。ウェブマーケティ[…]
Google Brainは、検索したユーザの検索意図。つまり、ユーザの「ニーズ」を分析するアルゴリズムです。
実は、Googleは、記事のキーワードで単純に検索キーワードを決めているわけではなく、ユーザが求める検索結果を推測してバランス良く記事をチョイスして多角的にサイトを探せるように検索結果を出す仕様になっています。
(というか、それを目指して、日々、アルゴリズムがバージョンアップされているといった方が正確でしょう。)
ブログの作り手は、検索キーワードの重複を気にするよりも、キーワードは重複しても別の角度から書いた記事を増やせれば、カニバリ問題を緩和することができるのです。
キーワードが重複しても問題ない根拠
そもそも、重複キーワードは、本当に不利なのでしょうか?
これは、アフィリエイトがメインのサイトで行われるキーワード戦略ですが、実は、キーワードは重複した方が、ビッグキーワードを狙いやすくなります。
正確には、すべての記事でビッグキーワードを含みつつ、サブキーワードをズラすことで、個々の記事は重複を避けつつ、トップページへメインキーワードのパワーを集める仕組みです。
ブログにおけるキーワードは、川の流れに似ており、海の近くで大河になる荒川?淀川?でも、はじめはチョロチョロとした小さい川だったハズ。
キーワードも細かい記事からトップページに向かってキーワードを集めることで、サイト全体としてビッグキーワードを狙えるようになるのです。
繰り返しになりますが、重複キーワード自体が悪いワケではありません。
重複記事の悪影響を「緩和」させる方法
とはいえ、先ほどお話しした通り、ユーザが求める結論が同じ記事が多いと、それは重複記事としてSEO的には不利になります。
この場合、重複キーワードがあっても、内容を分散させることが重要です。
この場合、以下を意識すると、Googleに重複記事と識別されにくくなります。
・言葉の置き換えをする
・タイトルを変更する
これを細かくご説明していきますね。
ユーザのターゲットを変える
どうしても、重複記事が増えてしまう場合は、記事を読ませるターゲットを変えることを意識しましょう。
例えば、恋愛ブログの場合、同じ「脈あり」に関する話題でも、「20代」と「40代」で恋愛のアプローチが違うハズです。
例えば、20代の女性がターゲットの記事なら、
「会社の同僚にこんな人いる?脈あり男性のリアクション5選」
という記事になるかもしれません。
40代の女性がターゲットの記事なら、
「脈なし男性でも気にせずに逆告白を!脈なしを脈あり男性に変えるコツ」
なんて記事になるかもしれません。
ターゲットが異なると、キーワードが同じでもユーザニーズが異なるので、記事同士でカニバリしにくいんですね。
実際、恋ピットの記事でも、ユーザニーズが異なる記事はアクセス数に差は出ていません。
言葉の置き換えをする
例えば、「Twitter」と「ツイッター」は、同じ意味を持っていますが、検索キーワードとしては別の単語として扱われます。
正確にお話しすると、Googleは、両方とも同じ単語として扱うのですが、多少、「ニア・イコール」の扱いをするようです。
例えば、
「ツイッターでフォロワーを増やす方法」
と
「フォロワーを増やすTwitterの活用法」
は、少し違う記事であると判断するようで、片方の記事が極端にランクダウンすることはありません。(影響がないわけではないが、緩和することができます。)
このように、記事内で使用する言い回しや単語を置き換えることで、狙ったキーワードは維持しつつ、違う内容であるようにGoogleに認識させることは可能です。
ただし、この方法は、Googleのアルゴリズムの未熟さを狙ったテクニックなので、徐々に通用しなくなっていますから、あくまでも応急措置と考えてください。
タイトルを変える
これもGoogleのアルゴリズムの未熟さを狙った方法なので、今後は使えなくなるかもしれませんが、記事のタイトルを変えることで、重複記事と見なされにくくする方法はあります。
例えば、
「ツイッターで人気者になる方法5選」
と、
「ツイッターで私がフォロワーを増やした過去1年の戦略」
一見すると、まったく違うタイトルに見えますが、だいたい書く内容は同じになるはずです。
でも、私が冒頭で書いたことを思い出してください。
です。
似たような記事でも、アプローチが違えば、Googleは重複記事としてペナルティを受けません。
多少は悪影響はありますが、完全に同じ内容でなければ、Googleは上手にスモールキーワードを抜き出して、ユーザのニーズに近い記事を検索結果に表示します。
ユーザも完全に同じキーワードで検索する人は少ないので、SEO的に不利な扱いを受けにくくなります。
重複記事の悪影響を完全に「排除」する方法
前の項目で、重複記事の悪影響を緩和する方法をご紹介しましたが、本格的に重複記事を避ける方法はあるのでしょうか?
これは、私が有名ブロガーの手法を研究している中で気がついた戦略を元にご紹介します。
パワーの強い記事を残してnoindex
はじめのステップとして、重複記事が多い場合は、もっとも検索順位が高く、アクセスも多いSEO的に有利な扱いを受けている記事を残して、他の重複記事はnoindexをつけます。
すると、Googleからは重複記事がなくなったように見えるので、noindexをつけなかったページの検索順位が上がります。Googleのすべての評価が1記事に集中するからです。
しかし、他の重複記事が検索結果に表示されなくなるので、せっかく書いた記事が読まれなくなってしまいますよね?
そこで、やるべきことが、次の項目でご紹介する手法です。
サイト内まとめ記事を作成する
最近人気な手法がこれです。
サイト内の記事を紹介するまとめ記事を執筆し、トップページから直でリンクを貼る方法です。
例えば、「ツイッターのフォロワーを増やすテクニックまとめ」という記事を作成します。
この記事はGoogleにインデックスさせる前提で、ツイッターのフォロワーを増やす手順の概要を書きつつ、記事内で、適宜、詳細なテクニックを書いた記事にリンクを貼っていきます。
これらの詳細な記事は、noindexにしておきます。
すると、重複記事は避けつつ、読者は各詳細記事を読みに行くので各記事のアクセス数は確保することができます。
ポイントは、このまとめ記事をトップページから直接リンクを貼ることです。
トップページは、SEO的にもっとも強いページであり、トップページから直接リンクを貼られたページのSEO効果も高くなる傾向があります。
従って、トップページから直接アクセスするユーザも見込める他、検索エンジンでも上位表示を狙いやすくなります。
また、重複記事の影響度合いを調べるために、詳細記事のnoindexを少しずつ外しながら、「まとめ記事」の検索順位の推移を調べて見るのもよいでしょう。
影響がなければ、すべてのページにnoindexを外しましょう。
こうすることで、Googleから、詳細ページが重複記事として認識されているのか、されていないのかを分析することも可能となります。
もし、「まとめ」記事の検索順位が落ちれば、詳細ページが重複記事と認識されていることになるので、再びnoindexをつければよいのです。
重複記事とみなされるか、みなされないかは、Googleしか分かりませんので、このようなA/Bテストをするのも、強いブログを作るための戦略の一つなのです。