グーグルは、明確にどんなアルゴリズムで検索順位を決定しているのか明らかにしていません。つまり、SEOを行うためには徹底的に「推測」をするしか方法がありません。
このコラムもそうですし、インターネット上に出回るすべてのSEOに関する記事が分析や経験を元にした推測の記事になります。
それ故、真偽不明の情報が出回る理由になっているのですが、世の中で効果のあるとされているSEO施策を時にグーグル自身が否定することがあります。
そんな無意味のSEO施策をまとめてみました。
FacebookやTwitterなどのSNSの効果
一部には、FacebookやTwitterなどのSNSで注目を集めると、SEO的に高評価を得られるのではないかと言われています。
実は、この憶測は、Noであり、多少、Yesです。
そもそも、多くのSNSはリンクにnofollowタグを付与しており、バックリンクを検知できないようにしています。加えて、Facebookなどはプライバシー設定で、友達以外ページを閲覧させない設定もできるわけです。これでは、公正な評価ができるとは言えません。
元Google社員のマット・カッツ氏もこのように述べています。
(『FacebookやTwitterの情報は検索アルゴリズムの順位決定に影響するのか?また、影響するのであればそれはどの程度か?』という質問に対して)
答えは“NO”です。SNSにおけるフォロワーや「いいね!」の数などのソーシャルシグナルがランキングに影響を与えることはありません。
Similar Web Pro『【2016年最新】Googleの主要アルゴリズムをまとめて解説!アップデートの歴史を踏まえてワンランク上のSEOへ』
一方、このような考え方も可能です。それは、ChromeやGoogleツールバーが組み込まれたブラウザで閲覧すると、閲覧履歴がグーグルに送信されています。つまり、SNSで話題になり、アクセスを集めれば、一時的にグーグルの評価が上がる可能性は否定出来ないのです。
ページ表示スピードの効果
以前から、ページ表示スピードは検索順位に影響すると言われてきました。したがって、0.1秒でも高速なページ表示ができるように躍起になる人が続出しています。
しかし、これは、「著しく表示が遅いページは順位を下げられる」アルゴリズムを深読みしすぎた結果として生まれた誤解なのです。
「モバイルでは表示時間がより重要な要因になっていますか? もしそれ以外のすべて同じだったとしたら、本当に検索順位に違いが出てきますか?」
絶対的な秒数のようなことに関しては話さないようになっている。どうしてかというと、世界各地によって違ったふうにウェブサイトは動くし、世界各地によって帯域幅も速度も違うからだ。
海外SEO情報ブログ『モバイル検索の上位表示にページ速度はどのくらい重要なのか』
要約すると、普通の速度で表示されているページは、ほとんど検索順位決定に影響しないということです。
しかし、あまりにも速度が遅いサイトはユーザビリティが悪いサイトとして順位に影響すると言われています。どちらかというと、ページ表示速度が順位決定要素なのではなく、使い勝手の悪すぎるサイトを弾き出すアルゴリズムなのです。
滞在時間、平均訪問ページ数の効果
これはもっとも言われることですが、ページの滞在時間が長かったり、平均訪問ページ数が多いほどサイトの信頼性が上がり、SEO的に効果があるということです。そのために、Google Analyticsのデータが使われていると発言する人までいます。
実際のところ、滞在時間や平均訪問ページ数が検索順位に影響するかどうかははっきりと分かっていません。しかし、一つ明確に言えることがあります。それは、Google Analyticsは検索順位結果のデータとして使われていないということです。
検索アルゴリズムに関しては、グーグルは、Googleアナリティクスをまったく使っていない。
理由の1つとしては、すべてのサイトがGoogleアナリティクスを使っているとは限らないことがある。「こちらのサイトに関する情報は取得できるが、あちらのECサイトに関する情報は何も取得できない」、そんな状況で本当に平等には評価できない。
検索サポーター『【SEO、SEM】Googleはアナリティクスを検索に利用していない。AdWordsもSearch Consoleも利用していないのか』
確かにGAを使っていないサイトはありますし、大規模サイトの場合、Catalystなどの別の分析ツールを使っていることが往々にしてあります。ですから、公平に順位付けをする必要のあるGoogleにとってGAのデータを使うことはリスクでしかないのです。
これは筆者の直感です。Google検索結果の各リンクには、ビーコンが仕込まれています。このビーコンを辿って各ページにアクセスするのですが、次にGoogleで検索されるまでの時間や、他のページを閲覧した上で、2回目の検索が行われているか?また、同じ種類のキーワードで検索がされているか?が大きく順位に影響するのではないでしょうか?
次に検索されるまでの時間がながければ、そのサイトで滞在した時間が長いと判断できます。他のページを閲覧していればユーザの興味を引く記事が公開されていると判断できるでしょう。また、同じ種類のキーワードで再検索されることは、そのサイトで満足できる回答が得られなかったことを意味します。
実際のところはこれが真実なのではないかと思うのです。
アフィリエイトサイトは不利か?
アフィリエイトで稼ごうと考えている人にとっては興味のある内容ではないでしょうか?
2012年のペンギンアップデート、それに続くパンダアップデートまで、Googleの検索には質の低いアフィリエイトサイトが大量に表示されていました。しかし、これらのアルゴリズム変更で、現在は目にする機会が減ったように思います。
逆にこのことが、アフィリエイトサイトはグーグルでペナルティの原因になると流布される所以になっています。
しかし、アフィリエイトサイトというだけで、Googleから評価を下げられてしまう訳ではなさそうです。
Googleはアフィリエイトサイトをブラックハットだとはまったく思っていない。
すばらしいアフィリエイトサイトもある。
良いアフィリエイトサイトも悪いアフィリエイトサイトもある。どんな付加価値を提供しているかが問題になる。
海外SEO情報ブログ『Googleのマット・カッツが明かした21個の最新SEO情報 from #SMX Advanced 2013』
つまり、独自の評価や正確な情報を提供した上で商品を提供するようなアフィリエイトサイトは、マイナス評価にはならないということです。
思い返してみれば、以前のアフィリエイトサイトは、商品の写真とリンクを並べたような低品質なものばかりした。これが影響しているだけなのです。
長文はSEOに有利?
ブロガーがもっとも興味を持っている話題ではないでしょうか?
ブログの文章量は、SEO的に影響するのかどうかということです。これもGoogleのジョンミューラー氏は明確にNoと発言しています。
Googleには、例えば「100語以下じゃダメ、200から500語ならOK、500語以上で画像も多ければ最高」みたいな、そんなアルゴリズムはない。Googleはそのようには見ていないんだ。
SEO Pack『「長文SEO」、本当に効く?/Google情報から考える文字数と対策法 』
つまり、単に長文であれば評価されるなんてことは一切ないというわけです。
考えてみれば当たり前で、では、商品写真ばかり並んでいるネットショップ。写真がメインのギャラリーサイトが評価を受けないかといえば、そうではありません。
一方、こんな考え方も可能です。長文になればなるほど、ユーザが求めていることの答えが記載してある可能性は高まります。その結果として順位が上がる。ですから、短文のサイトでも最大限の満足度が提供できていれば評価が上がるのです。
先ほど、ユーザの2回目の検索までの時間が滞在時間としてカウントされている可能性を書きました。もし、グーグルが滞在時間をカウントしているのであれば、文章量と比較した場合の滞在時間を見ているのではないでしょうか?
長文だから評価されるのではなく、例えば、500文字であれば、500文字に相当した平均滞在時間を獲得できれば良いということになります。