2014年8月7日、Googleは公式ブログで常時SSLのサイトを推奨すると発表しました。明確にランキングシグナルに使用すると述べたのです。
Google では過去数か月にわたり、Google のランキング アルゴリズムでのシグナルとして、暗号化された安全な接続をサイトで使用しているかを考慮に入れたテストを実施してきました。この実験ではよい結果が得られているため、ユーザーがもっと安全にサイトを閲覧できるよう、すべてのサイト所有者の皆様に HTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えています。
つまり、これからは、URLがHTTPSではじまるサイトが、そうでないサイトよりも優遇されるということです。
しかし、問題もあります。それは、アフィリエイトを行っているサイトです。まだ、多くのアフィリエイトサービスが、SSLに対応していないのです。もし、あなたのブログだけSSL対応したとしても、コンテンツ内に埋め込まれたSSL化されていない画像リンクが混在してしまい、ユーザのブラウザに「このサイトは完全に保護されていません」と表示され、信頼度を落とすことに繋がるでしょう。
非SSLを推奨する訳ではありませんが、SSL化を実施する時期をはかる上で、SSL化とそうでない場合でどの程度の影響が出るのかを知っておいて損はないでしょう。
基本的には1%以下の影響
すでにご存知とは思いますが、Googleは実に200個にも及ぶ指標を使ってサイトを評価しています。今回のSSLに関するアルゴリズムもその一つです。
この指標は被リンクなどのように優先度の高いものから、サイトスピードに関する優先度の低いものまで様々です。結論を言えば、SSL化に伴う優遇度はそれほど高くありません。
一般的には、常時SSLを導入しても検索結果に与える影響は1%程度しかないと言われています。従って、緊急度が高いかといえばそうではないことが分かります。
実際のグラフを元に影響を調べてみた
筆者の別サイトで、常時SSL化をする前と後で影響がどう変化したかについてご覧いただきます。
筆者のサイトは、Googleが正式なアナウンスを出してから約1年後の2015年10月1日に常時SSLを実施いたしました。
基本的にGoogleがこのようなアルゴリズム変更を行う場合は、徐々にその影響度を上げてゆくのが一般的であると考えられますので、1年後の実験はある程度、信頼性が確保できていると考えるのが自然です。
当時、当サイトには約450記事ほどありましたが、一括してHTTPSのURLへリダイレクトされるようにしました。従って、アクセス数が激減することはありませんでしたが、同時にランキングが上昇してアクセス数が増加・・・なんてことにもならなかったわけです。
それから更に2年経過しましたが、今でも大きく影響を与えるアルゴリズムであるとは考えにくいと思います。
影響は検索順位以外に出る!?
先日、大手アフィリエイトサイトのA8が、自社のアフィリエイトリンクをSSL対応にすると発表しました。徐々にこの流れは増えてゆくと思われます。
従って、緊急にSSL対応する必要はありませんが、徐々に常時SSLを導入することを検討してもよい時期に来ました。
常時SSLを検討する理由は、実は直接SEOとは関わらないところに影響が出始めているからです。それはブラウザの表示です。
上記のスクリーンショットをご覧いただきたいのですが、現在、もっとも影響力のあるブラウザChromeのスクリーンショットです。SSL対応していないページは一目瞭然と分かるようにURLの部分の画面が変わったのです。
この変更は、Chromeバージョン53から徐々に適用されはじめているもので、2016年9月に発表されました。(Google Security Blog)
将来的には、SSL対応していないすべてのページで警告を表示させるとしており、他のブラウザも追随すると思われます。
この状況を勘案すると、常時SSLがランキングをお仕上げてアクセス数を増加させるというよりは、対応させないことでユーザ離れを引き起こすリスクがあると考えるべきなのです。